白血病の治療方法と免疫力を高める注目成分まるわかり

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治療方法

このページでは急性骨髄性白血病(AML)の治療法や病型・分類、免疫力向上に効果的と言われる米ぬか多糖体などについて紹介します。

急性骨髄性白血病(AML)の治療法について

化学療法(抗がん剤治療)

抗がん剤を用いた治療法です。初期治療では抗がん剤を複数併用し白血病細胞の働きを食い止める治療をおこない、症状が落ち着いたら白血病細胞をゼロに近づけるために抗がん剤を投与して寛解を目指します。

寛解導入療法

急性骨髄性白血病(AML)では、治療の第一段階として「寛解導入療法」が行われます。
寛解とは、骨髄中にある白血病細胞が全体の5%以下の状態を指し、寛解導入療法はこれを目的としています。
一般的には、一週間から10日ほど抗がん剤を投与していきますが、抗がん剤を使用することで、白血病細胞だけでなく正常な血液細胞も骨髄から減少しててしまうので、赤血球や血小板が大きく減少してしまった場合は、輸血でこれらの細胞を補充します。
白血球は輸血することができないため、抗がん剤を投与した後に自然に増えてくるのを待つしかありません。
1ヶ月ほどの間、白血球が増えるのを待ちます。

白血球が増えた後

白血球が順調に増えたら、「骨髄穿刺(こつずいせんし)」を行います。
これは胸骨や腸骨に細い張りを指し、骨の中にある骨髄の組織を採取して、白血病細胞が減少しているか(5%以内になっているか)を確認する検査です。
全体の8割から9割の患者は、この段階で寛解状態になるといわれています。

急性骨髄性白血病(AML)にはいくつかの種類があり「M3」というタイプはほかの急性骨髄性白血病(AML)と治療に使用する抗がん剤が異なります。
M3の場合、ほかの治療で使用される抗がん剤のほかに、レチノイン酸というビタミンA誘導体である「ATRA(アトラ)」を用いるのですが、このアトラによる副作用と、出血を起こしやすいというリスクがあります。
この副作用とリスクを乗り越えられれば、M3は急性骨髄性白血病(AML)の中でも治療効果が表れやすいタイプだといわれています。

急性骨髄性白血病(AML)では、化学療法を中止として治療が行われるため、副作用や合併症が出やすいです。
代表的な症状としては、吐き気や嘔吐、下痢、脱毛、脱力感、食欲不振などが挙げられます。
また化学療法によって免疫力が低下してしまうため、細菌やウイルスに感染しやすいというリスクもあります。
これらのリスクによって命の危険を生じる可能性がある高齢者の方に対しては、年齢や症状、また心臓や肝臓、腎臓といった臓器の状態などを考慮した上で、抗がん剤の量を減らすなどの対処を取ります。
そのほか、高齢の方や症状が思い患者さんに対しては、寛解導入療法ではない、別の治療法で白血病細胞を減らすように治療するケースも少なくありません。
寛解導入療法以外で白血病細胞の減少を目指す場合、治療後に寛解になる可能性は寛解導入療法と比較すると低いです。
しかし、副作用や合併症のために命を落とす危険性があるため、これらの治療法を選択するしかないという現実があります。

寛解導入療法

寛解導入療法によって白血病細胞が5%以下になれば骨髄中で正常な血液細胞が回復していきますが、完全寛解の状態になっても、まだ白血病細胞は残っているので、放っておくと必ず再発してしまいます。
そこで、地固め療法や維持療法などの完全寛解状態を長期間保つことを目的とした治療を継続して行います。
地固め療法は、導入療法と同じ程度の強い抗がん剤を用いて行う治療法です。
維持療法や強化療法は、退院後外来通院をしながら行う治療になりますが、協力が地固め療法を行うことで、維持療法や強化療法は必要ないとされ、最近は行われていません(急性リンパ性白血病では維持療法や強化療法を必要とするケースもあります)。
寛解導入療法や地固め療法などによって完全寛解状態が3年以上継続できれば、急性骨髄性白血病(AML)の再発はまずないと考えられています。
さらに完全寛解が5年以上継続できた場合には、「治癒した」とみなされます。
しかし、完全に治ったと言い切ることはできないので、あくまで「完全寛解」という言葉を使用しています。

参考:(PDF)急性白血病寛解導入療法における骨髄内白血病細胞減少動態に関する研究[PDF]

分子標的治療

難治性の急性骨髄性白血病におこなわれます。白血病細胞の表面に結合する物質に殺細胞効果のある薬を混ぜ、白血病細胞を殺す治療法です。この治療が有効かどうかは事前に検査が必要になります。

造血幹細胞移植(同種造血幹細胞移植)

造血幹細胞を多く含む、骨髄や末梢血、臍帯血を移植する治療法です。造血幹細胞とは、白血球や赤血球、血小板に分化する細胞のこと。化学療法と比べてQOLの向上や予後の改善が期待できる場合に検討されます。

放射線治療

放射線により、白血病細胞の増殖を防ぎ消滅させる治療法です。放射線を浴びたがん細胞のDNA鎖を破壊していきます。照射法は体の外から照射するものと、内部から照射するものの2パターンです。

緩和ケア(生活の質を重視した治療)

白血病による体の痛みや心の悩みなどをなるべく取り除き、生活の質(QOL)の向上を目的として行われる治療です。カウンセラーやアドバイザーがQOLの向上のためにいろいろな提案をしてくれます。

急性骨髄性白血病(AML)の病型と分類

M0:急性骨髄性白血病 特異的染色体異常を有する急性骨髄性白血病
M1:急性骨髄芽球性白血病 多系統の形態異常を伴う急性骨髄性白血病
M2:急性骨髄芽球性白血病 治療に関連した急性骨髄性白血病と骨髄異形成症候群
M3:急性前骨髄球性白血病 上記以外の急性骨髄性白血病
M4:急性骨髄単球性白血病 骨髄肉腫
M5:急性単球性白血病 ダウン症候群に関連した骨髄増殖症
M6:赤白血病 芽球形質細胞様樹状細胞腫瘍
M7:急性巨核芽球性白血病 分化成熟能力異常の巨核芽球様細胞が増殖

NK細胞を活性化させる米ぬか多糖体とは

白血病は免疫力の低下を招いてしまう病気の1つ。本来ならばがん細胞を攻撃するNK細胞が力を無くしてしまっている状態でいると、白血病を始めがんにかかる可能性が高くなってしまいます。

そうした免疫力の低下を改善すると近年注目を集めているのが「米ぬか多糖体」です。米ぬか多糖体は免疫をつかさどる部位に働きかけ、NK細胞を活性化(※1)してくれると言われています。白血病のような免疫力の低下に伴う病の予防や症状の改善が期待されている成分なのです。

免疫力アップや抗がん剤の副作用抑制
注目の成分「米ぬか多糖体」について詳しく見る

【参照元】※1:米ぬか多糖体免疫研究会「NK細胞の活性抗がん作用」(https://rbsnuka.com/

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