便秘が続く
白血病罹患者に現れる主な症状の1つが便秘です。このページでは白血病による便秘で悩まされている人の事例と原因を紹介しています。同じく便秘で悩まされている家族や友人がいる方は参考にしてください。
Q.便秘の原因は?
便秘は症状が軽いうちはいいのですが、重症になってくると腸閉塞を引き起こす可能性があると言われています。便秘になる原因はいろいろありますが、白血病を起因とする便秘はどのようにして起こるのでしょうか。ここでは便秘で悩む人の声を紹介します。
便秘で悩む人たちの声
抗がん剤を打つと、だいたい便秘になってしまいます
白血病で入院して2ヵ月と少しが過ぎたころ、腸の動きが弱っている感じで、食欲もあまり出ず、吐き気や全身の倦怠感、そして腸の痛みなどがありました。以前にも苦しまされた症状とほとんど一緒です。オンコビンという抗がん剤を注射すると、便秘になってしまいます。下剤の量を少しずつ調節しながら、改善していきました。(46歳・男性)
まわりに支えられたからあるイマ
抗がん剤治療の薬物治療をしていると、必ずと言っていいほど便秘になりました。下剤を飲みすぎると下痢になって、脱水症状も出てくるので、あまり下剤を飲めずに苦しんだこともあります。そんなときでも妻が介抱してくれ、少しでも栄養が摂れるように、食べやすい甘いものなどを持ってきてくれました。支えてくれる家族に感謝です。(40代・男性)
下剤でも改善されない便秘に悩んでいます
抗がん剤を使用してから便秘になり、主治医に相談して下剤を処方していただきましたが、便秘は改善されません。
下剤の種類を変えてもらうなど対応していただいていますが、やはり改善されないので、自分なりに食生活に気をつけるなど対処していますが、著しい効果は見られず。
どうすれば便秘が改善されるのか本当に知りたいです。
日常生活の心がけで便秘改善を期待
抗がん剤のストレスなのか、これまで悩まなかった便秘に悩むようになりました。
調べてみると同様の便秘に悩む人は多いようなので、私も自分でできることは意識的に行い、便秘改善を目指しています。
けれどなかなか改善されないですね。
医師にも都度相談していますが、やはり下剤を処方するくらいしかできないようなので、引き続き便秘によいと言われていることは試してみるつもりです。
浣腸や座薬も効果なし…
抗がん剤の副作用で便秘になっています。
いろいろなことを試して1回お通じがありましたが、次に抗がん剤を打ってから1週間お通じがありません。
下剤はもちろん、浣腸や座薬を試してもお通じがなく、お腹が張って食事も満足に取れないのですごく辛いです。
A.考えられる原因は抗がん剤による副作用です
がんの治療中に重度の便秘症状が出る場合、治療のために服用している薬が便秘の原因となっているケースが多いようです。
便秘の原因となる薬として、モルヒネなどの「オピオイド鎮痛薬」と、抗がん剤が挙げられます。
まず、オピオイド鎮痛薬は、痛みを抑える効果が期待できることと並行して、小腸の動きを妨げてしまうという作用があります。
下痢止めの効果が期待できることから、その作用が便秘につながってしまうことも理解できてしまいますね。
オピオイド鎮痛薬が便秘を誘発することは広く知られているため、医師によっては下剤をあわせて処方する場合もあるようです。
服用によって便秘症状が悪化した人は、医師に伝えて下剤の処方を検討してみるのもひとつの方法です。
抗がん剤は、自律神経やホルモンバランスに大きく影響し、胃腸の働きを抑制してしまうことがあります。
また腸の蠕動運動が起こりにくくなってしまい、便秘につながりやすくなるようです。
また、薬そのものの作用以外にも、抗がん剤を服用することで起こる副作用が、精神的なストレスとなってしまい、それが便秘につながっている場合もあります。
抗がん剤を服用していない人でも、強いストレスによって便秘になってしまっている人は多く、それと同じ状態なのです。
抗がん剤によって引き起こされる便秘は、下剤などで改善できない可能性があるので、医師と相談しながら広い範囲での便秘治療が必要になります。
抗がん剤による副作用の便秘解消法は?
先にご紹介したように、下剤の処方によって便秘が解消できる場合もありますが、スムーズに改善されないケースも少なくありません。
その場合は、医師と相談しながら日常生活の中で便秘を改善するための行動を心がけることも大切です。
まずは水分を多く摂取すること、そして食物繊維の豊富な食材を積極的に取り入れることです。
「便秘には食物繊維」とは広く知られていることですが、食物繊維だけ摂取していると食物繊維が腸内に詰まってしまい、さらに便秘を悪化させることになりかねません。
並行して水分をしっかり摂取することが大切です。
そのほか、3食規則正しい食事を摂ること、脂肪分や乳製品を多めに摂取することなど、日常で意識できることはたくさんありますが、がんの症状や体調などによって必要な対処は変わってきますので、医師としっかり相談した上で行ってください。