急性骨髄性白血病(AML)
このページでは急性骨髄性白血病(AML)の概要や詳しい原因から再発についてまでまとめました。また、白血病の悩み改善に良いと言われる米ぬか多糖体についてもお伝えします。
急性骨髄性白血病(AML)とは?
急性骨髄性白血病とは、血液を作る過程で生まれる未熟な血液細胞が正しい分化をせずにがん化してしまい、無制限に増えてしまう病気です。英語表記のAcute Myeloid Leukemiaの頭文字をとってAMLとも呼ばれます。
急性骨髄性白血病の発症過程
骨髄中で作られる血液細胞の元、造血幹細胞から赤血球や血小板、白血球が作られます。造血幹細胞はまず血中で働く細胞になる骨髄系幹細胞とリンパ系で働くリンパ系幹細胞へと分化。骨髄系幹細胞は、赤血球や血小板、そして白血球となる骨髄芽球や前骨髄球へ分化します。
このうち、白血球になるはずの骨髄芽球や前骨髄球の分化が正常に進まずがん化してしまうのが急性骨髄性白血病です。
FAB分類とWHO分類における急性骨髄性白血病(AML)
急性骨髄性白血病と一口に言っても、病状により複数の分類に分かれています。FBA分類では8種類、WHO分類では7つの分類がされ、さらに細分化されています。
M0:急性骨髄性白血病 | 特異的染色体異常を有する急性骨髄性白血病 |
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M1:急性骨髄芽球性白血病 | 多系統の形態異常を伴う急性骨髄性白血病 |
M2:急性骨髄芽球性白血病 | 治療に関連した急性骨髄性白血病と骨髄異形成症候群 |
M3:急性前骨髄球性白血病 | 上記以外の急性骨髄性白血病 |
M4:急性骨髄単球性白血病 | 骨髄肉腫 |
M5:急性単球性白血病 | ダウン症候群に関連した骨髄増殖症 |
M6:赤白血病 | 芽球形質細胞様樹状細胞腫瘍 |
M7:急性巨核芽球性白血病 | 分化成熟能力異常の巨核芽球様細胞が増殖 |
FBA分類は、1970年代に提唱された分類法です。どの細胞が白血病細胞へと変化したのかを細かく分けて分類。健康な人では見られない芽球の比率が血中の30%以上を占めている場合に急性白血病と定義しています。
WHO分類は2000年代に提唱された分類法です。染色体の異常や遺伝子の変異を主軸として分類。芽球の比率が20%以上を急性白血病と定義しています。
急性骨髄性白血病(AML)治療の流れ
体調不良や何かいつもと違うな、と思ったら必ず病院に行きましょう。
受診
体調が変化した点や不安などを医師に伝えます。上手く話せる自信が無いときは、前もってメモして持って行くといいでしょう。初回の受診後、詳しい検査の日程や次回の診察が決まります。
まず、何か体調がおかしいなと思ったら、そのまま放っておかずにまずは病院での診察を受けることが大切です。
白血病には骨髄性白血病と慢性リンパ性白血病の2種類がありますが、骨髄性白血病の場合にはなかなか初期症状が確認できないことが多いです。
また、白血病は慢性白血病と急性白血病に分かれ、急性白血病の場合は鼻血や傷口からの出血が止まりにくい、歯茎から出血するなどといった症状が現れます。
そのほか、白血病は健康なときと比較すると白血球の数が少なくなり、これによって体の免疫力が低下します。
その影響でウィルスに感染しやすくなり、発熱しやすくなることもあります。
これらの症状が起こった場合には、速やかに受診してください。
検査や診断
現れている症状の原因を探るために検査し、検査結果をもとにして診断がされます。不安や疑問は医師に伝えて解消するようにしましょう。
診察によって急性骨髄性白血病の疑いがあると判断された場合には、症状に応じてさまざまな検査を行います。
検査は複数の検査を行ったり、結果が出るまでに時間がかかることも少なくありません。検査結果が出たら担当医より説明がありますが、このときの説明は必ずしっかり聞いておきましょう。
その後、治療を選択する際に症状や検査結果を理解しておくことがとても重要になります。分からない点や聞き逃してしまった内容は何度でもしっかり理解できるまで、繰り返し質問してください。
ちなみに、急性骨髄性白血病の検査で行われることの多い代表的な検査項目は、血液検査や骨髄検査です。
血液に増加している細胞を調べたり、骨髄液や遺伝子、抗原などを解析して検査を行います。
治療法の選択
検査の結果白血病だと判明した場合、進行具合や体調、生活スタイルなどを考慮した治療法を選びます。医師や家族とよく相談して決めましょう。
症状に応じて、患者が治療法を選択できる場合には希望に沿った治療に入ります。
急性骨髄性白血病で行われる治療は、抗がん剤を使用した「化学療法」や、白血病細胞を分化させて死滅させることを目的とした「分子化誘導療法」、薬を白血病細胞に取り込んで殺細胞効果を促す「分子標的治療」などがあります。
急性骨髄性白血病は年齢によって治療の選択方法が変わり、若年者であれば化学療法を用いた治療を行うことが多いです。高齢者は合併症などを考慮し、化学療法が可能であるかを判定した上で治療法を選択します。
年齢や個々の症状によって最適な治療方法が異なりますので、よりよいと思われる治療法を多方面から取り入れることもあります。
治療
白血病細胞を減らしたりこれ以上数が増えたりしないように治療が行われます。痛みや不安、副作用といったストレスは溜めこまず、医師や看護師、薬剤師などに伝えて解決策を探りましょう。
治療法を選択したら、実際に治療に入ります。
治療を受けている中で、より体調が悪くなったり、安定したりとさまざまな変化が出ることが多いので、都度担当医師に相談しながら体に無理のないように治療を進めていきます。
白血球の治療では、副作用により体の抵抗力が低くなり、感染症に感染しやすいなどのリスクが生じることがありますので、入院をして治療を行うことも多いです。
また、化学療法の治療で顕著な効果が見られない場合は、造血幹細胞移植を受けるなどさらなる治療に入るケースも少なくありません。
これらの治療にはリスクを生じるため、身体的負担はもちろん精神的にも大きな負担となります。
できるだけストレスのかからないよう、前向きに治療に取り組む姿勢が重要です。
経過観察
治療が終わると、治療効果をみるために経過を観察します。通院や検査をして病状を確認。寛解に向かっていれば、治療効果があったということです。
治療を経て症状が改善されたら、経過観察に入ります。
経過観察における通院の頻度は、それぞれの症状や回復の程度によって異なるため一概にはいえませんが、一般的には1~2週間に1回のペースから、状態によってペースを変えていくことが多いです。
状態がよければ通院感覚を伸ばしていき、その後は3~6ヶ月に1回再発がないかどうかの検査を行います。
経過観察中は、くれぐれも無理をしないように気をつけながら、軽い運動などをして体力を回復するように意識しましょう。
ただし、発熱や胸痛など、少しでも体調の異変を感じたらすぐに担当医に相談してください。
急性骨髄性白血病の治療期間
通院・入院あわせて2~3年以上
一般的に、白血病の治療には長い期間を要することが多いとされていて、通院と入院での治療期間を合わせると2~3年以上の期間が必要になるようです。
急性骨髄性白血病の場合、その症状によって治療内容が異なるため一概にはいえませんが、入院が必要な治療は7~9ヶ月ほどだとされています。
この期間はずっと入院していなければならないというわけではなく、症状が悪化していなければ治療の合間に外泊をしたり、一時退院をして自宅で過ごすなど、柔軟な過ごし方ができることもあります。
しかし、白血病の治療における副作用として、免疫が弱くなりやすい場合があるため、こうした副作用が生じている場合には、外出や退院はせずに入院中ずっと病院で過ごすことになります。
治療期間を快適に過ごすために
長い治療期間を少しでも快適にし、生活の質を高めるためには、自分自身の免疫力を高める努力も重要。生活習慣の工夫ももちろんですが、手軽にできる方法として、サプリメントの摂取なども検討してみましょう。
最近はNK細胞の活性化が報告されている成分など、免疫力アップが期待できる商品も登場してきています。免疫力アップは白血病治療の副作用対策にも役立つので、興味のある方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
急性骨髄性白血病(AML)の原因
急性骨髄性白血病の原因について調査しました。遺伝子の変異やストレス、化学物質など様々様々な要因が急性骨髄性白血病に関わっているようです。発症する具体的な原因はあるのでしょうか。また、急性骨髄性白血病は遺伝するのかも調べました。家族や近しい人に白血病の方がいる場合、病気の遺伝も気になってしまいますよね。様々ある原因が気になる方はぜひご参考ください。
急性骨髄性白血病の原因は、現段階では明確に特定されていないのが現状です。
ただしこれまでの研究の成果の中で、先天性のものだったり、化学療法によるものが原因と考えられる症例があり、急性骨髄性白血病の原因は多岐にわたるということが分かっています。
参考: Granulocyte-colony stimulating factor併用 化学療法にて完全寛解に導入し得えた高齢者難治性急性骨髄性白血病の1例[PDF]
https://www.jstage.jst.go.jp/article/iryo1946/48/2/48_2_145/_pdf/-char/ja
急性骨髄性白血病(AML)の症状
急性骨髄性白血病を発症すると現れる症状についてまとめています。ただの体調不良だと思いがちな軽い症状は、実は白血病の初期症状かもしれません。倦怠感やお腹の張り、歯茎からの出血といった症状が急に現れた方は要注意です。また、家族や親しい人に同様の症状が見て取れる場合には、医療機関をすすめてあげてください。さらに詳しい症状が知りたい方は先のページを見てみてくださいね。
小児急性骨髄性白血病や成人急性骨髄性白血病によって症状は異なるようですが、成人急性骨髄性白血病の場合は発熱や疲労感、出血などの症状が表れることが多いようです。
参考:成人急性骨髄性白血病
https://www.imic.or.jp/library/cancer/029_adult_AML.html
急性骨髄性白血病(AML)の治療法
急性骨髄性白血病の治療法についてまとめています。よく知られている化学療法や移植、放射線治療の他にも分類によっては有効な治療があります。それぞれの治療内容について解説していますので、白血病を発症したらどのような治療がおこなわれるか気になる方はぜひご一読ください。
急性骨髄性白血病(AML)の合併症
急性骨髄性白血病の発症が原因でかかってしまう別の病気について調査。免疫力の低下により合併症リスクが上がってしまうため、治療効果が出ていても注意が必要です。どういった合併症があるのかまとめていますので、参考にしてみてください。また、考えられる合併症から白血病発症後の注意点についても知っておきましょう。
急性骨髄性白血病(AML)の再発
急性骨髄性白血病の再発や転移についての情報をまとめました。一度は落ち着いた症状が、どうなると再発と言われるのか、転移とはどういったことなのかを記載しています。免疫療法が有効とされていますが、他にできることはないのでしょうか。急性骨髄性白血病の再発・転移について知りたい方は先へ進んでください。
急性骨髄性白血病(AML)の治療費
急性骨髄性白血病では、標準では抗がん剤による治療が行なわれます。各必要となる治療費を具体的な例を挙げて紹介。さらに、治療に対する金銭面での負担を軽減することができる制度である「高額療養費制度」についてまとめています。
急性骨髄性白血病(AML)だと診断されたときにできること
急性骨髄性白血病だと診断された場合にできることがあります。それは、体の免疫力を上げること。食事や普段の生活において、免疫力を高める工夫をしましょう。体温を上げる、笑顔を作るだけでも免疫力はアップするようです。
また、免疫力アップに有効(※1)であると言われているのが注目の成分「米ぬか多糖体」です。
米ぬか多糖体は免疫細胞に働きかけ活性化します。NK細胞を始めT細胞やマクロファージといった免疫細胞の働きを良くしてくれると言うのです。もしご存じでないのなら、どのような効果が期待できるのかぜひチェックしてみてくださいね。
急性骨髄性白血病治療の助けになる
注目成分「米ぬか多糖体」とは?
【参照元】※1:米ぬか多糖体免疫研究会「NK細胞の活性抗がん作用」(https://rbsnuka.com/)